【オーディブル】『さみしい夜にはペンを持て』自分の心の声を聞こう!
季節の変わり目は体調をくずすことも多いもの。なんだかいつも調子がよくない、したいことはあるのに気力も体力もない。そんな自分に落ち込んでしまうこともあるのではないでしょうか。
そんな時には心に寄り添ってくれるような優しい本が読みたくなります。
今回は自分の心の声を聞きたい時におすすめの3冊をご紹介します。「明けない夜はない」が共通するテーマ。外に向かいがちな意識を自分に戻し、自分の心と対話するきっかけになれば嬉しいです。
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➤【オーディブルの魅力と使い方】大人女性におすすめの聴いて楽しむ読書
1.『さみしい夜にはペンを持て』古賀史健(2023年)
明けない夜はない、とだれかが言った。
(中略)
わかったふりして、いい加減なことを言わないでくれ。
ぼくはずっと、そう思っていた。
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頭の中のモヤモヤを整理したい時に、「書く」ことはとても良いそう。私は考えすぎて頭に霧がかかったような時には、真っ白な紙に思いついた言葉をそのまま書いています。
はじめは「思っていることを書く」という一見やさしそうなことができず、とても苦労しました。書く時につい一度考えてしまい、書かれた言葉は思っていることと少し違う。そんな時は「考えるより先に手を動かす」のがよいと聞き、今はそれを続けています。
読み返したり、記録したりするのが目的ではないので、文字や文脈が乱れていても気にしません。書いている紙を見ていないこともあるくらいです。
書き終わった紙はすぐに捨ててしまいます。頭の中のモヤモヤがなくなるまで書き切るとスッキリするので、考えすぎて頭の中がいつも忙しくなってしまう方はぜひお試しください。
『さみしい夜にはペンを持て』は中学生に向けて「書くことのおもしろさ」を伝えるために書かれた本。いじめられっ子の中学生「タコジロー」が公園で出会った「ヤドカリのおじさん」に勧められて日記をつけ始め、「書くこと」を通して自分自身を見つけていくファンタジーです。
主人公が「うみのなか中学校」に通うタコジローということで、大人の私が読んでも大丈夫かなと少し迷いましたが、大切なことに大人も子供もないと気付かされました。
「他者より先に、自分との人間関係を築くための本」のとおり、自分の心の深いところに降りていくような感覚に。自分の心の奥深くを知るのは少し恐い気もしますが、自分と対話することの楽しさや、「ひとり時間」の大切さを教えてくれた一冊です。
朝日新聞社 好書好日『さみしい夜にはペンを持て』著者インタビュー
おすすめ度 | |
聴きやすさ | |
再生時間 | 7時間2分 |
この夜は明ける。
書けば、必ず。
イラストも素敵なので、紙の書籍もおすすめです。
2.『夜明けのすべて』瀬尾まいこ(2020年)
知ってる?
夜明けの直前が、一番暗いって。
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『夜明けのすべて』はPMS(月経前症候群)でイライラが抑えられない美紗と、パニック障害に苦しむ山添君の物語。それぞれに病を抱えながら、しだいに助け合うように。暗い闇のなかで生きる2人にも少しずつ光がさしてきます。
主人公が働くのは従業員6名の小さな会社。優しくて温かい人々に見守られながら、自分のペースで生き方を見つけていく。物語は明るく重苦しさはありませんが、実際にPMS(月経前症候群)やパニック障害の症状がある方は、読むとつらくなる場面があるかもしれません。
著者・瀬尾まいこさんは『夜明けのすべて』刊行にあたってのメッセージの中で、自身もパニック障害と診断されたことを公表しています。誰もが苦しみを抱えながら生きているんだと改めて思いました。
『夜明けのすべて』は2024年に映画化され、現在はNetflixでも観ることができます。主演の松村北斗さんと上白石萌音さんが小説のイメージとぴったり。小説を軸にオリジナルストーリーが加えられていて見ごたえのある作品でした。
おすすめ度 | |
聴きやすさ | |
再生時間 | 6時間50分 |
思うようにいかない毎日。
それでも、私たちは救いあえる。
登場人物みんなが優しい小説です。
3.『山女日記』湊かなえ(2016年)
真面目に、正直に、懸命に生きてきた。
なのに、なぜ?
誰にも言えない思いを抱え、山を登る彼女たちは、やがて自分なりの小さな光を見いだしていく。
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登山やハイキングを趣味とする女性を指す「山ガール」という言葉が広まってから、もう15年。私も流行にのって登山靴や山スカートなど登山グッズを一式そろえ、初心者向けのハイキングコースへ何度か行ったのも懐かしい思い出です。
『山女日記』は悩みを抱える7人の女性たちが、自分と向き合いながら山に登る連作長編小説。山に登りながら自分の気持ちを整理する。山頂を目指して進む主人公の未来に光がさしてくる瞬間は、明るい希望が感じられほっと安心します。
落ち着いたトーンですすむ物語は時にピリッとしたところもありますが、その分爽やかな読後感が気持ち良く感じられました。読み終わると自分も登山したような気分に。
こんなはずでなかった結婚。捨て去れない華やいだ過去。拭いきれない姉への劣等感。夫から切り出された別離。いつの間にか心が離れた恋人。
各章ごとに主人公が変わりますが、少しずつ接点があり、知っている人が出てきたような楽しさも。最終話まで読むと連作小説の面白さが感じられ、お気に入りの1冊になりました。
オーディブルのナレーションも小説のイメージどおりで、物語をより魅力的にしています。
2024年8月には『残照の頂 続・山女日記』が文庫化されましたが、まだオーディブルでは聴くことができません。いつかオーディブルで聴ける日を楽しみに待ちたいと思います。
おすすめ度 | |
聴きやすさ | |
再生時間 | 10時間31分 |
だけど、頂上はまだ見えない。まったく、ゴールしたあとの人が言う、あともう少し、ほどあてにならないものはない。
それでも歩き続けるのは、ゴールが存在することを知っているからだ。わたしのゴールとは何だろう。
甘すぎない物語が好きな方におすすめです。
まとめ
- 『さみしい夜にはペンを持て』古賀史健(2023年)
- 『夜明けのすべて』瀬尾まいこ(2020年)
- 『山女日記』湊かなえ(2016年)
今回は「自分の心の声を聞こう」をテーマに、大人女性におすすめの3冊をご紹介しました。
「人生は想像より厳しくて、暗闇はそこら中に転がっていてするりと舞い込んできたりします。でも夜明けの向こうにある光を引っ張ってきてくれるものも、そこら中にきっとあるはずだと思いたいです。」(瀬尾まいこ)
「明けない夜はない」と信じて、今日も過ごせたらいいですね。
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